多くの学生が挑む高校入試は本番の一発勝負ではありません。本番でのテストの配点は全体の3割程度でしかなく、残りの7割は内申点からになります。これは入試を受ける前から合否の大勢は決まっているとも言えます。また、ここで言う内申点とは、通知表にある1~5の評価点の合計です。そして、その評価点に直結しているのが普段の定期テストです。要するに、受験は中学入学時から始まっているのです。
県内の公立高校入試では、主要教科も実技教科も全て平等に評価されます。体育も数学も価値は同じです。中学全学年の成績が内申点に含まれ、どの学年の成績も平等に評価されます。また、部活動の成績は内申点に含まれず、部活をやっていない生徒が不利になることはありませんが、良い結果を収めていれば特別枠で合格できる制度があります。なお、高専や私立高校は学校ごとに評価の仕方が違います。
当然、定期テスト対策が内申点に直結しますので、そこは常に意識してやっていきます。そして、本格的な受験時期となる中3の夏以降、当塾では習熟度テスト対策を重視していきます。習熟度テストは年5・6回実施される高校受験の模擬試験です。生徒のそれまでの成績を踏まえ、志望校合格に必要となる習熟度テストの得点を割り出し、そこを目標に勉強していきます。全ての習熟度テストに取り組むことで、自然と受験本番に必要な知識を身に付けていくことができます。
山口県の受験制度は非公表です。合格の決め方には諸説ありますが、当塾の見解は以下の通りです。
【ここの情報を引用するのは構いませんので、引用先として当塾のトップページをリンク先に設定して下さい】
・ 学力検査は250点満点。
・ 内申点は、各学年の学年末の通知表の評価点(全9教科)の合計に4.3倍して、約580点満点。
・ 選抜は二段階式で、「前段選抜」のあとに「後段選抜」を行う。これとは別に、部活動などの成績優秀者を対象とした合格枠がある。(山口県公立高等学校入学者選抜実施大綱より)
・ 「前段選抜」として、学力検査点と内申点のそれぞれに順位をつけ、共に上位80%に入っている者を合格内定者とする。面接、小論文、実技の結果は学力検査点に加点される。
・ 「後段選抜」として、学力調査点と内申点の合計点の高い順に、残りの合格内定者を選抜する。面接、小論文、実技の結果は加点される。
・ 前段選抜と後段選抜で合格内定とならなかった者でも、学力検査の成績が一定以上あれば、調査書や面接、小論文、実技、部活動などの内容次第で合格できる。(この合格者数は定員の0~20%。割合は高校ごとに決められている。)
・ 進学校であれど、学力検査重視の選抜は行わず、上記方法で選抜を行う。
・ 各校、最低合格ラインが設定されている。そこを超えない限り、たとえ定員割れだとしても合格はできない。
このように考えた経緯については、少々長いですがこの山口県公立高校入試の仕組みを追った記事にまとめてあります。
次の計算式で求めた数値を合格ラインの数値と比較することで、現在の自身の立ち位置を確認できます。
「内申点」× 4.3 +「習熟度テストの合計点」
「内申点」とは、通知表での学年末の評価点(1~5)を三学年分合計したものを指します。9教科全ての評価点を合計します。なお、中3の学年末の評価点は卒業間近でないとわからないため、予想した点数で計算してみて下さい。
合格ラインより+40以上なら、本番で大きく失敗しても合格できるでしょう。
合格ラインより+20以上なら、本番での少しの失敗は問題ないでしょう。
合格ラインより-20以下なら、本番での逆転は難しいでしょう。
高校名にリンクがあるものは、より詳しい受験情報を見ることができます。
高校名 | 学科 | 内申点 ※1 (各学年平均) |
習熟度テスト ※2 |
合格ライン ※3 |
高専 ※4 | 各科 | 108(36) | 190 | 654.4 |
防府高校 | 普通 | 102(34) | 175 | 613.6 |
衛生看護 | 90(30) | 150 | 537.0 | |
防府商工 | 情報処理 | 84 ~ 90 (28 ~ 30) |
140 ~ 150 | 501.2 ~ 537.0 |
商業 | 84 ~ 87 (28 ~ 29) |
120 ~ 140 | 481.2 ~ 514.1 | |
機械 | 84(28) | 100 | 461.2 | |
防府西 | 総合 | 84(28) | 120 | 481.2 |
南陽工業 | 機械 | 81(27) | 100 | 448.3 |
電気 | 72 ~ 78 (24 ~ 26) |
80 ~ 90 | 389.6 ~ 425.4 | |
化学 | 72(24) | 80 | 389.6 | |
山口中央 | 普通 | 93(31) | 150 | 549.9 |
山口農業 | 各科 | 78(26) | 100 | 435.4 |
※1 合格に必要な内申点の目安です。内申点とは通知表における学年末の評価点の合計を指します。表の数値は3学年合計のものです。カッコ内は1学年当たりの平均です。
※2 合格に必要な習熟度テストでの得点の目安です。全教科の合計点と比べます。平均点を130点として算出しています。実際の平均点に合わせて、合格ラインも前後させて下さい。
※3 高専を除き、概ね合格率60%のボーダーラインです。受験倍率が低くなるほど合格ラインも下がっていきます。
※4 高専各校で内申点の算出方法が違いますが、これが最低ラインだと思って下さい。
平均点は毎年4月19日~28日に発表されます。表の「〇〇年度」は入学年度です。例えば、表の「令和4年度」は、令和3年度の3月に受けた試験のものです。
学力検査 | 学校指定教科検定 | ||||||||||
国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 英語 | 合計 | 国語 | 数学 | 英語 | 合計 | ||
令和6年度 | 31.5 | 24.5 | 23.1 | 26.8 | 26.6 | 132.4 | 令和3年度以降廃止 | ||||
令和5年度 | 27.1 | 27.1 | 21.6 | 24.5 | 25.6 | 125.8 | |||||
令和4年度 | 23.6 | 25.8 | 24.5 | 24.4 | 28.5 | 126.7 | |||||
令和3年度 | 28.9 | 33.2 | 25.7 | 31.0 | 27.4 | 146.3 | |||||
令和2年度 | 29.4 | 33.1 | 21.3 | 23.3 | 29.3 | 136.4 | 8.1 | 5.0 | 6.2 | 19.3 | |
平成31年度 | 30.2 | 30.7 | 26.8 | 28.7 | 27.0 | 143.3 | 4.8 | 5.0 | 6.1 | 16.1 | |
平成30年度 | 27.6 | 27.4 | 22.7 | 29.2 | 28.4 | 135.3 | 9.1 | 7.8 | 10.2 | 27.2 | |
平成29年度 | 27.4 | 29.9 | 22.3 | 28.7 | 22.7 | 130.9 | 7.9 | 6.6 | 8.8 | 23.5 | |
平成28年度 | 30.7 | 31.3 | 26.1 | 28.1 | 24.6 | 140.8 | 9.3 | 10.6 | 9.5 | 29.7 | |
平成27年度 | 35.2 | 28.7 | 26.2 | 27.7 | 29.9 | 147.7 | 13.3 | 6.3 | 8.3 | 28.1 | |
平成26年度 | 30.1 | 25.0 | 25.0 | 25.3 | 26.6 | 132.0 | 11.8 | 6.7 | 12.0 | 30.8 | |
平成25年度 | 33.1 | 27.6 | 24.2 | 25.7 | 26.3 | 136.9 | 9.6 | 5.7 | 9.0 | 24.6 | |
平成24年度 | 28.9 | 24.8 | 24.8 | 27.4 | 25.5 | 131.7 | 平成24年度まで 実施なし。 平成25年度から 30年度までは 60点満点。 平成31年度 (令和元年度) から45点満点。 |
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平成23年度 | 30.8 | 26.7 | 25.9 | 30.6 | 24.8 | 138.7 | |||||
平成22年度 | 30.3 | 28.6 | 29.3 | 30.4 | 27.9 | 146.5 | |||||
平成21年度 | 26.0 | 28.0 | 29.8 | 28.2 | 27.2 | 139.2 | |||||
平成20年度 | 29.2 | 29.7 | 24.6 | 27.1 | 23.0 | 133.7 | |||||
平成19年度 | 29.8 | 27.9 | 26.1 | 26.7 | 24.0 | 136.6 | |||||
平成18年度 | 31.4 | 29.3 | 22.5 | 29.3 | 29.0 | 141.7 | |||||
平成17年度 | 27.9 | 33.0 | 25.7 | 28.9 | 29.3 | 144.9 | |||||
平成16年度 | 31.5 | 35.6 | 34.0 | 30.9 | 32.6 | 164.6 | |||||
平成15年度 | 180.0 |
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